【解説】
『弟子』は、『論語』を原典とし、孔子とその愛弟子の子路との交流を描く。中島没後の昭和18年(1943年)に発表された。孔子に弟子入りした子路が、その直情径行な性格と儒学との大きな差の中で苦しみつつ学んでいく姿や、子路を叱りつつも彼を愛した孔子の姿が情感豊かに描かれている。
『山月記』は、昭和17年に発表された中島のデビュー作。唐代、詩人となる望みに敗れて虎になってしまった男の変身譚であり、清朝の説話集『唐人説薈』中の「人虎伝」が素材になっている。隴西の李徴は若くして科挙試験に合格する秀才であったが、俗悪な大官の前で膝を屈する一介の官吏の身分に満足できず、官職を退いて詩人として名声を得ようとするも経済的に困窮し挫折。自尊心の高さゆえ屈辱的な思いをした末、山へ消えて行方知れずとなる。彼は人食い虎になっていた。山道を通りかかった旧友の官吏、袁傪(えんさん)にそれまでの経緯と人間の心が消えていく苦しみを告白する。
『名人伝』は、『列子』を主な素材として、弓の名人になることを志した紀昌の生涯を描く。天下第一の弓の名人になろうと名手・飛衛に入門し、五年余の難しい修行のすえに奥義秘伝を習得するも、更に修行を重ね、やがて「弓をとらない弓の名人」となり、晩年には弓の名前すら忘れ去るに至る。(参考:ウィキペディア)
- URL
- http://www.amazon.co.jp/dp/4865742670
- 形式
- オーディオブック(CD版)
- カテゴリー
- <しみじみ朗読文庫>オーディオブックシリーズ
- 朗読作家
- 大志田舜(新AI合成音声)
- 著者
- 中島敦
- ジャンル
- 小説
- ISBN-13
- 978-4865742671
- CD枚数
- 2
- 収録時間(分)
- 123
- 税込価格
- 2,310円(本体2,100円+税)
- 発売日
- 2023年3月