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【解説】
「源叔父」「星」「たき火」「わかれ」「おとずれ」「詩想」の6編を収録。
収録した6作品は、独歩が作家としてスタートした20歳代後半の明治29~31年にかけて『国民の友』ほかの雑誌に発表した小品群で、「ういういしい詩情に満ちた」ものと評されている。いずれの作品も原文は文語で、現代人が鑑賞するにはやや制約もあるため、原文を極力生かしながら現代語訳したものを朗読している。
6作品のうちには、独歩のそれまでの人生での苦しみとその克服の体験が創作の源泉となっているものもある(「わかれ」「おとずれ」)。独歩は、明治28年11月に佐々城信子と結婚・同棲したものの、複雑な事情から信子は翌29年4月に突然失踪し、離婚に至った。独歩は心に深い衝撃を受け、その苦しみから逃れるために渡米を図ろうともした。これは成功しなかったが、「次第に信子思慕の傷の痛みも薄らぎ、ようやく悩みのはてに真澄みの空のような清澄な生活の落ち着きがきた」(野田宇太郎)。その年の秋に東京渋谷村のさみしい里にわび住みの家に移り、以降、「武蔵野の歴史に目を開き、その自然を愛し、山林の自由を愛する生活がこの渋谷で翌年の早春近くまで続いた」(同)。
「星」「たき火」「詩想」などは、そのような体験を経た後に発表された詩情がにじむ作品である。「源叔父」は最初の本格的小説であるが、これは1893年に大分県佐伯市に教師として赴任した際に生徒ら8名と大入島を紀行した際の渡し船の船頭らがモデルといわれている。哀感を誘う内容となっている








