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【解説】
収録した4篇は、鹿ケ谷の謀議に連座して島流しとなった「俊寛」と、菊池の『新今昔物語』にある「六宮姫君」「伊勢」「好色成道」である。「俊寛」「六宮姫君」は、芥川龍之介による同名の作品もあるが、それぞれの取り上げ方は異なっている。
菊池の「俊寛」は、鬼界ヶ島に一人取り残された俊寛のたくましい生き方に焦点を当てて描いている。また、「六宮姫君」は、高貴な筋で大事に育てられた姫君が、両親の死去、通ってきて契りを結んだ男の遠国への赴任によって困窮した末を描いているが、最期の場面の印象は両作家で少し異なる感がある。
「伊勢」は、延喜の帝(宇多天皇)の世に、一の御子の袴の御着初の御祝のために新しい金箔の屏風が調えられることになった際、高名の画師たちが四季折々の絵を書いたものに同じく高名の歌人達に読ませた和歌を配することになっていたが、歌が一つ足りないことが直前に分かって混乱する中、直ちに歌を読めとの帝の無理筋の仰せに見事に応えた伊勢御息所の才知を描く(伊勢は先帝の女御で才色双絶の誉が高かったが、先帝の出家の後に隠遁していた)。
「好色成道」は、叡山の怠けがちな若い学僧が、加護を祈ろうと嵯峨の法輪寺の虚空菩薩にお詣りした帰りに日が暮れて一夜の宿を求めた家で、宿の主人の女に魅了されて好色心が刺激され一夜の情けを求めたが拒絶されたものの、法華経を極めたら求めに応じないことはないとの反応に発奮し、遂には大成したという物語。








