日本近代文学の名作の中から、「泣ける文学」を13編収録。亡くなった子供、親、ペットなどを悼む心情、家の義理に挟まれた娘を思う親の気持ちなどがにじみ出ています。ただ、そこにはいろいろなバリエーションがあり、追慕、哀惜、愛惜、懐旧もあれば、悲嘆、呆然というような感情もあります。さらには、残された子供への同情と激励、自らへの諦念、あるいは、家族を奪った者に対する憎しみが伴う場合もあります。それらの心情を、決して大仰にではなく、淡々とした筆致で滲み出させる文豪たちの筆力には敬服するばかりです。
【収録作品】
アンゴウ(坂口安吾)
眉山(太宰治)
どんぐり(寺田寅彦)
ある抗議書(菊池寛)
野菊の墓(伊藤左千夫)
小さき者へ(有島武郎)
家霊(岡本かの子)
火事とポチ(有島武郎)
生と死の記録(豊島与志雄)
源おじ(国木田独歩)
十三夜(樋口一葉)
曠野(堀辰雄)
母への追慕(上村松園)
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