「はるかなる山河に」は、東京大学戦歿学生三十九名の手記、書簡、短歌等の遺稿を集めたもので、昭和二十二年(一九四七年)十一月東大協同組合出版部より出版されました。これに触発されて全国的規模での遺稿収集がなされ、広く知られる全国戦歿学生の手記「きけわだつみのこえ」の刊行へとつながりました。
「はるかなる山河に」は、その後、いったん絶版となりましたが、出版社や版を変えて読み継がれ、各方面に多大な感銘と反響をもたらしました。戦後七十年近く経った現在、学徒動員で戦地に赴いた当時の学生諸氏がどういう思いだったのかを知るためにも、広く年齢層を問わず読み継がれてほしい一書です。
本書は、第三版(昭和二十三年九月発行)を底本にしています。