戦前の獄中体験記関連の作品を集めました。主として社会主義者、無政府主義者によるものですが、それ以外に短い作品ながら、姦通罪で告発され二週間拘禁された北原白秋の手記もあります。
大杉栄は、大正十二年九月の関東大震災直後の戒厳令下に、内縁の妻伊藤野枝と甥とともに憲兵隊特高課甘粕大尉らによって不法に連行され殺害された「甘粕事件」の渦中のアナキストです。
同じく社会主義者の堺利彦の「獄中生活」も、巣鴨監獄の中の様子、一日の生活ぶり、その他の観察を興味深そうに記しています。
大逆事件で死刑に処せられた幸徳秋水の手記はさすがにシリアスで、まとまって書くつもりだった手記も最初の一章で終わっています(「死刑の前に」)。
「監獄挿話 面会人控所」は、大杉栄の内縁の妻の伊藤野枝による観察録です。
葉山嘉樹「牢獄の半日」は、大正十二年の「名古屋共産党事件」で検挙されて名古屋刑務所に未決囚として投獄された際の体験を執筆したものです。
「我が敬愛する人々」は、北原白秋が姦通罪で投獄された際の手記です。
一九一二年(大正元年)、白秋は隣家に住む人妻の松下俊子と恋に落ち、別居中の夫から姦通罪により告訴され、未決監に拘置され、二週間後に釈放されました。
既に有名となっていた詩人白秋がスキャンダルに見舞われた事件でした。
- URL
- https://www.amazon.co.jp/dp/4865740856
- 形式
- 大活字本
- カテゴリー
- 響林社の大活字本シリーズ
- 著者
- 伊藤野枝 北原白秋 堺俊彦 大杉栄 幸徳秋水 葉山嘉樹
- ジャンル
- 江戸・戦前
- ISBN-13
- 978-4865740851
- ページ数
- 530ページ
- 税込価格
- 3,520円(¥3,200+税)
- 発刊時期
- 2016年12月