あめりか物語―20世紀初頭の在米日本人と荷風の交わり(響林社文庫)

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永井荷風は、1903年から4年間、父親の意向で実業を学ぶべく、米国に滞在しました。ニューヨーク、ワシントンDCを含む数都市で横浜正金銀行などで働きましたが、金融業になじめず、その後、父に依頼し、フランスに赴くことになります。そこで『ふらんす物語』の名作が生まれるわけですが、その前に、滞米時代に交流した多くの在米日本人の様子を中心とした短編をまとめ、1908年に『あめりか物語』として発刊したものです。
 当時は、多くの日本人移民や長期滞在者がいましたが、荷風は、彼らの胸奥の思いをビビッドに掬いとっています。この二つの『物語』の発表以降、荷風の文筆家としての活躍が始まりました。